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万全の備え、遺言の王道である③公正証書遺言とは | 京都相続相談センター運営のブログ京都相続相談センター運営のブログ

万全の備え、遺言の王道である③公正証書遺言とは

2021年06月27日

カテゴリ:相続基礎知識

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みなさま、こんにちは!

京都相続相談センターの佐藤です。

今回はいよいよ遺言書の王道である公正証書遺言について見ていきましょう。

これまで見てきた自筆証書遺言や秘密証書遺言ではデメリットや弱点が数多くありました。

今でこそ法務局における自筆証書遺言書保管制度が開始されて内容の改ざん紛失、相続時の家庭裁判所による検認が必要なくなりました。

しかし、遺言書として法的に成立するかどうかのチェック機能が無いという点や、法務局では作成方法や遺言についての相談や質問は受け付けていません。

やはり王道である公正証書遺言はデメリットであるコストが高いことと、手間を受け入れれば遺言では1番確実性があるといっても過言ではないと思います。

現に私が関わった地主様や資産家の方々の相続対策では約9割以上が公正証書遺言を利用されてきました。

【公証制度の説明】

ご存じない方は聞きなれないかもしれませんが、各地域にある公証役場で「公証制度」といって、争いを未然に防ぐことを目的とし、法務大臣が任命する判事や検事などを長く務めた法律実務の経験豊かな者が<公正証書の作成><認証の付与><確定日付の付与>の3種類の法的サービスを提供する制度です。

我々一般の方が利用するイメージでは、重要な契約を公に証明出来るよう公正証書の作成として遺言をはじめ、金銭消費貸借、土地建物賃貸借、離婚に伴う約束事や認知症対策で昨今利用が進んでいる「任意後見契約」等が一般的ではないでしょうか。

また法人設立に伴う定款認証などもよく利用されていると思います。

【公正証書遺言の概要】日本公証人連合会HP引用

公正証書遺言は、遺言者が、公証人の面前で、遺言の内容を口授し、それに基づいて、公証人が、遺言者の真意を正確に文章にまとめ、公正証書遺言として作成するものです。
遺言者が遺言をする際には、さてどんな内容の遺言にしようかと思い悩むことも少なくないと思いますが、そんなときも、公証人が親身になって相談を受けながら、必要な助言をしたりして、遺言者にとって最善と思われる遺言書を作成していくことになります。
公証人は、多年、裁判官、検察官等の法律実務に携わってきた法律の専門家で、正確な法律知識と豊富な経験を有しています。したがって、複雑な内容であっても、法律的に見てきちんと整理した内容の遺言にしますし、もとより、方式の不備で遺言が無効になるおそれもありません。公正証書遺言は、自筆証書遺言と比べて、安全確実な遺言方法であるといえます。
また、公正証書遺言は、家庭裁判所で検認の手続を経る必要がないので、相続開始後、速やかに遺言の内容を実現することができます。さらに、原本が必ず公証役場に保管されますので、遺言書が破棄されたり、隠匿や改ざんをされたりする心配も全くありません
また、自筆証書遺言は、全文自分で自書しなければなりませんので、体力が弱ってきたり、病気等のため自書が困難となった場合には、自筆証書遺言をすることはできませんが、公証人に依頼すれば、このような場合でも、遺言をすることができます。署名することさえできなくなった場合でも、公証人が遺言者の署名を代書できることが法律で認められています。
なお、遺言者が高齢で体力が弱り、あるいは病気等のため、公証役場に出向くことが困難な場合には、公証人が、遺言者の自宅又は病院等へ出張して遺言書を作成することもできます。
以上のとおり、公正証書遺言は、自筆証書遺言と比較すると、メリットが多く、安全確実な方法であるといってよいと思われますが、遺言者にとっては、費用のかかることが難点と言えるでしょう。どのくらいの費用がかかるかは、この遺言Q&Aの末尾で説明していますので、費用については、そちらをご覧になって下さい。
なお、公正証書遺言をするためには、遺言者の真意を確保するため、証人2人の立会いが義務づけられていますが、適当な証人が見当たらない場合には、公証役場で紹介してもらうことができます。

【公正証書遺言の費用】

最大のポイントは相続又は遺贈を受ける人ごとの財産の価格によって手数料が高くなります。

①まず、遺言の目的たる財産の価額に対応する形で、その手数料が、下記のとおり、定められています。

②上記の基準を前提に、具体的に手数料を算出するには、下記の点に留意が必要です。

  1. 財産の相続又は遺贈を受ける人ごとにその財産の価額を算出し、これを上記基準表に当てはめて、その価額に対応する手数料額を求め、これらの手数料額を合算して、当該遺言書全体の手数料を算出します。
  2. 遺言加算といって、全体の財産が1億円以下のときは、上記①によって算出された手数料額に、1万1000円が加算されます。
  3. さらに、遺言書は、通常、原本、正本、謄本を各1部作成し、原本は法律に基づき役場で保管し、正本と謄本は遺言者に交付しますが、原本についてはその枚数が法務省令で定める枚数の計算方法により4枚(法務省令で定める横書の証書にあっては、3枚)を超えるときは、超える1枚ごとに250円の手数料が加算され、また、正本と謄本の交付にも1枚につき250円の割合の手数料が必要となります。
  4. 遺言者が病気又は高齢等のために体力が弱り公証役場に赴くことができず、公証人が、病院、ご自宅、老人ホーム等に赴いて公正証書を作成する場合には、上記①の手数料が50%加算されるほか、公証人の日当と、現地までの交通費がかかります。
  5. 公正証書遺言の作成費用の概要は、ほぼ以上でご説明できたと思いますが、具体的に手数料の算定をする際には、上記以外の点が問題となる場合もあります。しかし、あまり細かくなりますので、それらについては、それが問題となる場合に、それぞれの公証役場で、ご遠慮なくお尋ね下さい。

【証人2名について】

公正証書遺言の証人になるには性質上、利害関係者であり得る以下の方はなれません。

  • 未成年者
  • 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
  • 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人

であれば、遺言者が証人を準備することは現実的に困難なことが多いです。

ですから前述したように公証役場で証人の紹介を受けることができ、証人1人につき6,000円程度の手数料が必要です。謝礼の金額は、公証役場によって異なります。

また実業務の中で、ご相談頂くお客様は総合的な相続対策の中で当センター提携の相続申告専門税理士などに依頼するケースが多いです。

【まとめ】

デメリットは財産にもよりますがコストがざっくり5~30万程度掛かることで、容易に書き直しは出来ないことや、証人などの手配などの手間はあるものの安全確実な遺言方法であるということです。

相続税の基礎控除額を超過されるご家庭や相続人が多い場合、争いが懸念される場合も検討されてもいいかもしれません。

前述したように公証人が相談に乗ってくれると記載していますが、それは法的に正しく簡潔な文章作成の相談でありさすがに誰に何を相続させるかという分割対策は、まさしく相続対策にとっての大きなポイントであり、遺留分などの法的視点、相続税法上の特例利用などの節税などの税制視点だけではなく、ご家族の幸せを考えた感情的視点を加味して熟慮しなければいけません

当京都相続相談センターでは、もちろん基本である遺言についてのサポートだけではなく、まず誰に何を残すのかという分割に対するサポートも行っております。

ご不明点はお気軽にご相談くださいませ。

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